永代供養墓という選択

実家を遠く離れて、既に自身の家を持っている子世代にとって、残された実家の処分はなかなか大変なものです。ようやく実家を処分できたと思っても、最後に残されるのがお墓の問題です。今のままでは離れているお墓にそうそうお参りもできない、そういった理由で自宅近くへの墓の引越し(改葬)を考える人がここ数年増えてきているそうです。一般的に新しく墓地を探す場合と改葬との違いは、何人埋葬するスペースが必要かにあります。

現在何人の人が埋葬されているか、移転先墓地に何人まで埋葬できるか、先祖は遺骨を骨つぼから出して共有の埋葬場所へ納める合祀や合葬でもいいのかについても考えておきたいところです。最近の傾向で移転先の墓地を選ぶ際に一番の決め手となるのは、居住地の近くで公共交通機関の利便性が高いことだとか。また、寺などの管理者が家族に代わって供養と墓の管理を行う永代供養墓を選ぶ人も増えていると言います。中には命日から13年は個別区画に埋葬し、その後10年間は納骨堂、ゆくゆくは合祀となる仕組みの永代供養墓を販売している寺も都内にあります。

その墓を購入した人の多くが、子供にはお布施や寄付金などの煩わしさや継承による負担を感じさせたくないと考えているようです。永代供養のための霊園は非常に人気があり、永代供養墓は、無縁墓の放置に頭を悩ませる霊園業者にとっても利用者にとっても、時代のニーズに合っていると言えるでしょう。多くの霊園では年間管理料未払いのまま数年間放置した場合、お知らせの看板などが立てられ支払いを促されますが、その後連絡が途絶えたままにすると更地にしてしまうということがあります。久しぶりに墓地を参ったら墓がなくなっていたということにならないよう、早めに墓の処遇を考えておきたいものです。

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